「DZ」に続いて2作目の小笠原作品。前作に比べて格段に読みやすくなってました。
児童福祉センター「のぞみ園」に入所した母親を殺した容疑のかかった9歳の少年真下裕人。児童精神科医師の小村伊緒が担当する事になるが、彼の周りで不審な事件が起きていた。
ちまたで起きている連続吸血事件との関係も・・・。
「悪」の本質に挑む驚愕のサイコサイエンス・ミステリー、と紹介されてましたが、確かに本当の「悪」は誰なのか、そして犯行を行っているのは誰なのか最後までハラハラさせられました。
前作同様医学的な話抜きには進まない内容ではありましたが、今作ではとてもわかりやすくなりました。
やっぱりストーリーは素晴らしくっても、これでもかってカンジで専門的な話を書かれるとちょっと辛いですから、この程度で納めて頂いて良かったです。
お話としては、複雑なストーリーの割にテンポも良く読み進めたし、面白かったです。ただ、登場人物の設定に面白味がなかったかな。中には一人二人型破りなキャラがいてくれたら面白いのになあと思いました。
刑事さんにしても施設の職員にしても、良くあるタイプ(型どおり)すぎて。主人公の伊緒にしても、真面目一辺倒だし。
この作家の作品はあと一作品出版されてるみたいですね。
これは近未来の設定らしいので、少し変わった設定であることを期待します。