「ドッペルゲンガー宮」「カレイドスコープ島」に続く≪あかずの扉≫研究会シリーズの第3弾です。
この作品、シリーズ3作品の中で一番評価が低いんですよね。確かに本格ミステリーを望んでいる人にはちょっと物足りないのかもしれませんね。
でも、私はシリーズ全体としては面白いので好きです。
大学の「≪あかずの扉≫研究会」のメンバーが事件に巻き込まれるんですが、そのメンバーがそれぞれ色々な特技や個性を発揮して事件解決に至ります。ボケとつっこみ的な役割がはっきりしていて、会話が面白い。(ボケは語り手のカケルの役目)しかも珍しいのは、探偵役が2人いること。
その名探偵は会長の後動さんと自称名探偵鳴海さん。
2人ともかなり出来るタイプなのに対立することなくお互いを認めています。
そして、どんな鍵でもあけちゃう特技を持ったジョーマエさんこと大前田さんや、霊能力者(?)らしき咲さん。
やたら明るく元気な広報担当のユイと書記担当で語り手のカケル。
カケルくんとユイのコンビの掛け合いも面白いですが、カケルのワトソン役(ボケ役)もストーリーを進める上では大いに役立っています。
また、それぞれの人物の過去などをチラッと見せて、シリーズ通して少しずつ明らかになっていきます。それで、ついつい次が読みたくなるんですよ。
全体に会話が多いので、本の厚みの割にはサクッと読んでしまいます。
トリックも大がかりだったり、展開も早いので肩のこらない推理ものってカンジです。
最初の「ドッペルゲンガー宮」はトリックも大がかりで、掴みはOKってカンジ(笑)。興味をお持ちの方はますは「ドッペルゲンガー宮」からどうぞ。