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ほんだなのひとりごと

「天帝妖狐」「暗黒童話」「夏と花火と私の死体」乙一

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「天帝妖狐」「暗黒童話」「夏と花火と私の死体」乙一

もの凄く更新をサボっていました(汗)。
忘れてたワケじゃないんですけど、どうしても更新作業に手をつけられませんでした。
なので、今回の更新は夏に読んだ作品からです。

この夏、乙一作品を3作品続けて読みました。
この人、ホント凄い人です。どれを読んでも凄味がある。でも、作品中にそれを感じさせないんですよね。一つ読むと他の作品は?ってどんどん気になってゆく作家さんです。

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「A MASKED BALL」「天帝妖狐」の2作品収録。
「A MASKED BALL」の方はサブタイトルに-及びトイレのタバコさんの出現と消失-とついている通り、高校のトイレの落書きを巡るお話。
「天帝妖狐」は行き倒れになりそうな青年と彼を助けた少女のお話。自分から孤独の中にいた彼と彼女は次第に心を通わせてゆくのだが・・・。


暗黒童話暗黒童話
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彼の長編が読みたいと思って購入した一冊。
事故で記憶と左目をなくした少女が、移植によって得た左目の提供者の記憶の再生という不思議な現象が起こるようになる。
彼女はその記憶を頼りに提供者の住んでいた町に旅立った。


夏と花火と私の死体夏と花火と私の死体
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「夏と花火と私の死体」「優子」の2作品収録。
デビュー作なんだそうです。
びっくりしました。主人公は死体です。
弥生ちゃんと遊んでいたわたしは、弥生ちゃんの木の枝の上から落ちて死んでしまった。
そして弥生とその兄の健によってわたしの死体は隠された。

長くなったので・・・
作品を読むたびに違った衝撃を受ける作家さんですね。語り口とか、底に流れているモノは同じだと思うのですが、視点が全く別の所にあるんでしょう。
それも、斜めとか逆側からとかって簡単な所じゃなくって、異次元というのか異世界とでも言うのか・・・。そうかと思えば、急に自分の足下からの視点を感じてしまったり。
翻弄される、って言うのでしょうか。

「夏と花火と私の死体」は主人公が死体ですよ。死んでしまった自分の死体を、仲の良かった兄弟が自分達の身可愛さに隠し回っているのを、第三者視点でずーっと語り続けるんですよ。しかも少女の語り口で淡々と。
ある意味、最高の恐怖ですよね。彼女から恨みとか妬みの感情のかけらも感じられない。早く発見されたいとか、母に会いたいとか一切ない。それが逆に怖い。

乙一さま、また違ったジャンルを開拓して幅広い作品を読んでみたいと切望しております。
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