宮部さんの時代物です。
(上下巻なので、画像が多くてごめんなさい。)
「ほう」と言う名は「阿呆のほう」。
10歳のほうは江戸の萬屋の女中部屋で生まれた。萬屋の若旦那と女中との間の子供だった。はなっから望まれぬ子であり、母親もすぐに死んでしまい老夫婦に預けられ8つまでそこで犬の子のように放っておかれた・・・。
もうここまでで十分憐れな身の上なのに、この上、金比羅様への参拝を言いつけられ、そこで置き去りにされてしまう。
しかし、丸海藩の藩医、井上家の奉公人として養って貰えることとなった。
井上家の娘琴江様の世話により、「ほう」は初めて人の子らしい暮らしをする。
しかし、ある日琴江様が毒殺されてしまい、それをきっかけにまたもや「ほう」は井上家を追われる事になってしまう。
以降作品のラストに触れています。ご注意
宮部みゆき独特のテンポってありますよね。この作品も宮部さんらしい雰囲気で書かれています。
淡々と穏やかな文章で、それがまたもの悲しいと言うのか、寂しいと言うのか。
読んでいてほうのいじらしさや、宇佐の怒り(悔しさ)など、何度も涙腺を刺激されました。
ところが、ほうが泣く場面では「あっ、ちゃんと泣けるんだ。」と逆に安堵してしまいました。
ほうが、「働かなかったら、おまんまはいただいちゃいけないんです。」と言う場面はたまらなかった。(あぅ、思い出したらまたゆるんできたかも)
でも、だからと言って読んでいて沈んだ気持ちにならなかったんですよね。
それは、ほうの真っ直ぐな気持ちに救われていたのかもしれません。
不幸ななかでも、ほうの身を心配してくれる人が現れますが、琴江様を皮切りに、宇佐も石塚様も加賀様も全ていなくなってしまいました。
しかし。これからもほうを見守ってくれる人達の間で、たくましく生きていって欲しいと思います。
しか~し。
「10歳のほうが10歳と8歳の兄弟の刺客を手引きした」と大真面目に問題にしようとするなんてそれこそ阿呆です(笑)。
そんな事がまかり通った時代なんですよね~。
舷洲先生が代わりに笑って下さってスッキリ致しましたけどね。
追記
読了直後の為、話にまとまりがないかもしれません。
読みにくかったらごめんなさい。
1. 無題
しばらく前に,この孤宿の人を読みました.
加賀殿は避雷針を知っていたんですね.
うさぎが死んでしまったのは残念.