どの作品も完成度が高くって甲乙付けがたい。
「犬」なんか完全にだまされてましたから（笑）。ラストにきて一瞬「あれ？」って思考がストップしました。（根が単純なんで・・）
ただ、他にこの手法にちょっとかぶった仕掛けの入った作品があったのが残念だったかな～。
でも、それでもやっぱりラストに混乱して、チラッと前に戻って読み返したりしました。（やっぱり単純？）
しかも短編集とは言っても連作になっていて、マエ振りがあって次の作品でその理由がわかたり。

とはいえ、内容はかなり殺伐とした事件ばかりで、普通ならば嫌悪感がわいて来そうですが、主人公の彼の冷静な冷めたまなざしから見る世界が、色々な感情を全て捨て去って、本質だけを見抜いているような気がして、逆に共感していたり・・。
なので、ラストの殺人については、人間味が出てしまってちょっと残念だった気がします。

乙一さんの他の作品ってどんなカンジなんでしょう？実は他に一作「失踪HOLIDAY 」を購入済みなんですが、楽しみです。